研究開発R&D
角藤の地中熱ヒートポンプシステムへの取り組み
地中熱普及のためのNEDOの実証事業に参加(2011年)
有力な再生可能エネルギーと目される地中熱ですが、一般社会への普及には地中から採取した熱量を低コストで正確に計測する技術の確立が課題になっています。
角藤は再生可能エネルギーの普及を目指す国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(通称NEDO)の地中熱利用計測技術の実証事業に応募し、地中熱利用促進協会及び地中熱に取り組んでいる民間企業7社と共に選ばれて参画することになりました。
具体的には角藤内に実証用のモデル施設を建設し、各種計測機器について3年間にわたり発生する熱量の継続的なモニタリングを行い、地中熱システムの普及に向けて、低コストで正確に熱量を計測する技術の確立を目指しています。
モデル施設の建設と運用でノウハウ蓄積
実証事業用のモデル施設建設ではサーマルレスポンス試験がポイントになりました。基本計画では100m×24本だった地中熱交換装置について、最初の掘削完了段階で深度ごとの熱伝導率の計測試験を行い、実際の施工地域は深度75m以浅に優勢な地下水流動があり、当初予想よりも熱交換性能が良いと判断されたため交換装置の本数・深さを見直し総延長を2400mから1400mに削減しました。
また、地中熱交換装置用の穴(ボアホール)の築造にあたっては打撃式と振動式で掘削性能など、今後の実施工で活かせるデータを取得しました。
内の実証事業用モデル施設の概要
これら全ての施設をご見学いただくことができます。
室内機
設計室内に併設された
地中熱と空気熱の空調機。
設計室(約750㎡~多くの社員が勤務する広い空間)
地中熱システム用に3.2馬力相当の室内機が16台設置されている。
室内温度・エアコンの吹き出し口の温度などを常時計測・記録している。
新たな製造事務所をZEBにて建設計画中
イノベーションで豊かな環境を未来へつなぐ
浅層スパイラル熱交換器システム(2015年)
ALEX工法によるスパイラルチューブを長野工場に設置
NEDO再生可能エネルギー熱利用技術に参加(2017年)(東京大学柏キャンパス)
二重らせん地中熱交換器
長尺管を二重らせん巻(150m)
コイルユニット外径0.6m、長さ4m
縦孔を掘削(ALEX機)コイルユニットを縦孔へ挿入
コイルユニット挿入後の掘削孔掘削径0.7m、深さ15m
長野市第一給食センター(2019年)(排水を熱源とした融雪設備)
排水処理施設
排水処理槽内の熱交換器
排水の熱で雪が融けた様子
(2020年12月31日撮影)
施設稼働後の排水処理槽内