メッセージ

一緒に日本を造ろう

株式会社角藤 代表取締役
大久保公雄

角藤の仕事についてお聞かせください

私たちの仕事は社会資本を整備することです。「街づくりを支える」「暮らしを支える」仕事です。会社の使命はそこにあると思っています。そして、社会資本は常に変わり続けていきます。角藤は創業時(昭和8年)は農業用金物の販売店でした。そこから建築金物、鉄鋼二次製品の販売をするようになり、昭和34年に鉄骨・鉄筋の加工を始め、昭和59年に基礎工事部(現土木・基礎工事部)、昭和61年に土木建材部(現橋梁事業部)を新設しました。最近では鉄骨の分野では、鉄骨製品の品質向上や供給量増大のため、工場の増設や設備の拡充を行い、基礎・土木の分野では当社の技術を高めるため、さまざまな建設機械を導入するなど専門工事会社として変革を続けています。
世の中が変わっていくのに合わせ、我々も変わっていかなくてはいけない。社会資本の整備を仕事とするということはそういうことだと思っています。

各事業分野でも変化はあるのでしょうか

例えば、鉄骨製作の分野でも時代の変化はあります。つい近年まで、選択と集中を主眼に国内で大型製造工場の建築が求められる時代がありました。大きな工場を建築するための鉄骨を短納期で対応する。当社より速く鉄骨を加工・供給できる会社は他になく、1日あたり1000トンもの鉄骨を供給しました。それは6階建てのビルを毎日建てるのと同じ鉄骨量です。そのため、どれだけの備蓄が必要なのかを研究し、お客様の要望にお応えしました。
しかし産業構造の変化により、我々に対するニーズは設備投資の建築から都市の再開発・超高層化へ変化してきています。
外装の分野においてもインフラ整備の需要の高まりから、駅舎、アクセス道路やペデストリアンデッキ等の都市型土木案件の外装材の施工を手がける機会が多くなってきています。

技術的にも変化が必要ということでしょうか

横に広い大規模工場と高層建築では鉄骨の構造も違うし、製造方法も違います。工場や低中層建築物はプレスコラムという柱を使いますが、高層建築では四面ボックスという溶接主体の柱も求められます。
鉄骨製作工場には国土交通大臣の認定制度があり、S・H・M・R・Jの5グレードに区分されます。大規模工場はHグレードで対応できますが、超高層建築にはSグレードの工場認定が必要です。角藤では10年前に取得しました。品質管理能力と技術力はもちろん、自社での研究開発体制も求められるようになります。

研究開発となると人材も必要になってきますね

建築のプロだけでなく、金属研究のプロが必要になってきます。幸いにも当社には指導者レベルのプロたちが協力してくれています。彼らの指導を受けて、若手たちが学会で研究発表をしています。
学校で建築を学び修士として入社した人も、金属研究のために社会人ドクターとして博士号を取得した社員も2名います。

そうした会社の変化はどのように決まっていくのでしょうか

もちろん時代を読むということもありますが、実際は現場で働いている社員がお客様のニーズや情報を一番よくわかっているのです。今いるお客様の延長線上にあるのは何か。そこに我々がチャレンジできるものがあるのであればやっていくということです。超高層建築対応のSグレード認定取得もそうですが、当社事業の土木・基礎工事も、地中熱利用工事も社員からの「お客様が求めている」という声から始まっています。
鉄骨分野においては、建築を主体とするSグレードの中では日本でのナンバーワンを目指しています。そうやって納期や技術の向上を目指していく。土木・基礎工事も技術力の高さを活かして海外に活躍の場を広げる予定です。現在、設計部門にはベトナム出身のエンジニアが4名いますが、来年にも2名入社いただく予定です。

海外の方は苦労なく働けているようですか

それは大変だと思いますよ。日本の大学院にいた学生が教授の紹介で入社されたのですが、それでも言葉だったり、生活環境だったりと大変なことはあると思います。だから日本語学校のサポートをしたり、社員とコミュニケーションを取りやすくしたりとより働きやすい環境を作るが会社の役割です。
(社長室の隅のトランクを指さして)あのトランクはなんで置いてあるのかというと、ベトナム出張に行く人にあのトランクを渡して、鞄一杯にベトナムの食材を買ってきてもらうためです。やっぱり食べ物も違いますからね。

角藤の人材育成について教えてください

会社はその人の人生そのものと大きく関わるものです。その人がこの会社を使って、いい人生を送れたと思ってもらえたらと思います。その中でもっと仕事や技術レベルを上げていきたいと思ってもらえたら、そのために会社がある段階までは目標を設定しますし、そのためのチャンスを用意します。
新入社員研修の中に「より長い滞空時間のある、美しい飛行機を短時間で作り飛ばすこと」というミッションがあります。最初は目標設定も評価基準もなく、まずトライしてもらいます。漠然とやってもうまくいかない。それを体験していただくのが大切だと思っています。
世の中に失敗ということはありません。ただ事実が残るだけです。やったという結果と事実がある。その事実を次にどう活かせば良いのかを考えればいい。
新入社員が何をやったって会社はつぶれません。まずはやってみればいい。そのために会社や上司や先輩がいます。

先輩社員の声でも「仕事を通じて今まで味わったことのない達成感を得た」という声が多かったです

我々のお客様は社会資本という面で本当に日本を造っている方たちなので、そういう方たちと一緒に仕事をするということは日本トップクラスの要求に応える必要があります。何となくやって終わりということは決してありません。本当にこの仕事が完成するのだろうかと不安に思うこともあると思います。
ただ、そういう方たちと仕事をするということはやはり自分にとってのチャンスなのです。高難度の要求に応えきり、最後に完成したときにそういった方たちから「よくやったね」と認められたときの達成感は何ものにも代えがたいと思います。

会社や仕事に満足している人も多かった印象です

社会資本を作る仕事は人の命と社会に関わる仕事です。現場に長期間詰めたり、山奥の現場に足を運んだり、災害現場を復旧したりとさまざまなことがあります。お客様に迷惑をかけない。社員を危険な目に合わせない。それがプロの仕事じゃないかと思います。そのために会社がバックアップすることは全力でやります。
独身社員以外での県外勤務の住宅はなるべく会社の借り上げにしています。皆さんには全力で働いてもらい、会社はその環境を整えるのが仕事だと思っています。インフルエンザの予防接種費用の一部補助を役員会で検討した時も、ケチくさい事言わずに全額会社で補助しようという意見があり、全額補助が決まったりしています。

最後に角藤が求める人材像を教えてください

我々の仕事は日本の社会資本を造る仕事です。だから、一緒に日本を造ろう。と。
日本全部じゃないですよ。我々は全部を作りません。ですが、確実に日本の一部を作っています。日本を造る気持ちがあれば、ぜひこの会社に来ていただきたいですね。